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「いじめ」はやめられないのか。

2018年12月 7日

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『人は「いじめ」をやめられない』(中野信子・小学館新書)より抜粋。
 人間社会において、どんな集団においても、排除行動や制裁行動がなくならないのは、そこに何かしらの必要性や快感があるから、ということです。
 本気でいじめを防止しようと考えるのであれば、「いじめが止まないのは、いじめが『やめられないほど楽しい』ものだからなのではないか」という、考えたくもないような可能性を、あえて吟味してみる必要があるのではないでしょうか。
 例えば、子どものいじめを回避するためには、「相手の気持ちを考える」「相手の立場になって考える」といった指導では不十分であったことは、私が指摘するまでもないでしょう。
 これは、いくら「相手の気持ちを考えましょう」と教え諭したところで、子どもの脳は「共感」の機能が未発達であるからです。「共感」の機能はじっくり育てていくことが大切なのですが、いじめを回避したい場合には間に合いません。 
 とくに子ども時代は、「誰かをいじめると楽しい」という脳内麻薬に対して、共感というブレーキは働かないため、これを止めるには「自分が相手を攻撃すると自分が損をする」というシステムが必要です。しかし、現状の学校現場では、誰も見ていないところで相手を攻撃すれば自分が損をすることはない。つまり、「賢く相手を攻撃したもの勝ち」という構造ができあがってしまっているのです。

かつて、これからの大学での英語教育の重要性を主張していた時期があった。そんなある日、外国人講師に突き飛ばされたことがある。突き飛ばした後は出口を塞がれて恐怖を感じて、大声で「出せ!」と言って逃げた。その時、かれは、不気味な笑顔を浮かべていた。助けをもとめて研究室では二人の教員が菓子を食べながら、コーヒーを飲んでいた。自分に起こったことを話したが、返答は「僕は見ていないからどういっていいかわからない」。もう一人は知らないふりで沈黙だった。最後に「お菓子でももっていかないか」と言われた。隣の研究室では「授業前で忙しいので・・・。アポをとってくれれば話します」と言われた。
もし、言っているが、頑強そうな中年男でなく、暴行された女子学生だったら、私と同じように対応した妥当か。被害者に共感できない気持ちをもった教員に教員養成の仕事をしてもらいたくないと感じた。後で、「怪我などの暴行の証拠がない」ので立証は難しいと言われた。今は、それらの教員と会うことのない階に研究室を引っ越し、昼食も彼らが行かない早い時間帯に食堂に行ってとるようにしている。
私にとって大人になることとは、自己中心的な視点で考えることから卒業して、社会にいかにして貢献できるかという視点をもつようになれることだと考えてきた。今、地域の科学教育のネットワークを構築に調整しているのも、性教育に30年以上取り組んでいるのも、「自分だけれよければいい」という自己中心的に生き方にならないようにという自分自身に対する祈りを反映したものである。

  • 投稿者 akiyama : 11:21

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