福山彫刻プロジェクト



〜湖の華〜
作者:山田良定
設置:1995年(平成7年)
福山市 富士銀行前 福山アートプロジェクト実行委員会による


☆感想☆
この像は、今話題になっている女性の裸像だった。この像が建てられているのは福山の
中心部の富士銀行前で、人目につきやすい場所にある。なぜこの裸像をこの街中に建て
たのだろう・・・何を伝えたかったのだろう・・・ということを疑問に思った。まずこ
の女性はなぜ布のようなもとをかぶっているのだろうと考えた。しばし考える内にそれ
はただ裸を隠すというだけの物ではないと分かった。隠すことによって華の様な女性の
美しさを出すのだと思った。この女性は何か遠くを見つめているように見える。その目
は何か深い思いを抱いているようだった。この作者はたぶん、制作途中に女性の美しい
目と体の美しさが湖の美しい華に似ているということに気づいたから「湖の華」という
題名にしたのだと思った。そしてその気づいた美しさを、皆に伝えたいからこそあえて
あの目立つ場所に設置したのではないかと思った。






〜躍動〜
作者:山本眞輔
設置:1996年(平成8年)
福山市 福山郵便局前 福山アートプロジェクト実行委員会による

☆感想☆
この像は写真の通り「躍動」という題がふさわしいと思った。
他の像と比べて、明るく生き生きとして、勢いがある様に感じられる。又、裸像ではな
い。その明るいイメージが生まれるのは裸像でないからだろうと感じた。少女の踊り動
光景が、目に浮かぶ様である。この像は、郵便局前にあり、そこは非常に目立つ場所
である。その目立つ場所にあるというところから、郵便局の前を通る人・中に入る人に
明るいイメージをもたらす、美しい銅像だと思った。今にも楽しく愉快に歌い出しそう
な少女に元気をもらえそうである。昼間や夕暮れ時になると、美しい鳥の鳴き声がうる
さい程響く場所であるので、この少女の像に心があるとすれば、毎日小鳥と一緒に歌っ
て、毎日が楽しくてしかたがないのではと思った。





〜うららか〜
作者:圓鍔勝三
設置:1986年(昭和61年)
国際ソロプチミスト福山による

☆感想☆
この像は、有名な圓鍔氏の銅像である。福山美術館の真横に設置されている像で、私が
幼い頃から何度も車で横を通り過ぎるので、前々からよく目にする像である。題名は
「うららか」。いかにもという感じだ。この像は2つの像から成っているが、2人とも
まだ子供であると考えられる。この像から、この頃の子供は、自然のものを遊び道具と
して使い、元気に原をかけり回っている様子が目に浮かぶ。この2人は、裸足であるこ
とからなおさら子供は非常に元気だったということが言える。又私は、これは戦争中の
子供をイメージして造ったのだろうと昔から思っていた。この子供の表情からそう見え
るのだ。少年はまだ無邪気に遊んでいるようだが、少女の方は、表情から何か悲哀が感
じられた。まるで何かを訴えているかのようにも見えた。

圓鍔勝三のプロフィール
圓鍔勝三氏は、16歳で彫刻家を志し京都に行きました。
圓鍔氏は、幼年時代から決して器用な方ではなく、むしろ不器用であったと述懐してい
ます。石割氏に弟子入りした後も、努力と勉強熱心さにより、自己を形成して行きまし
た。23歳で上京し、澤田政宏氏に師事して、大正末から昭和の戦前にかけて起こった
木彫り界の新たな運動に加わり、明治以降の失われかけていた日本の木彫りをよみがえ
らせました。圓鍔芸術の特徴は、木彫りを主流としながらも様々な素材を使い作品を制
作していることです。このことが、自由な表現の多様性を生み出しています。また作品
は、夢とロマンに溢れ、雄ごんに満ちた独自の境地を拓きたえず平和を希求する心と生
きることへの愛着が現れています。少年時代を過ごした、この御調のちでの思い出が圓
鍔作品のバックボーンとなっているようです。豊かな自然と細やかな人情、私たちが忘
れかけている感情を思い起こしてくれる、そんな世界にふれることが出来ると思います。







〜前進〜
作者:オ・サンイル(呉 相一)
設置:1999年2月
福山市 福山アートプロジェクト実行委員会による

☆感想☆
この像は、福山文学館の庭に設置されていた。この銅像は3人であるが、3人とも目を
つむっていて、いろんな物に逆らって一生懸命一歩一歩歩んでいる様だった。私が思う
に、いろんな物というのは、様々な困難や恐怖、不安や心配など数え切れない程の物・
・・・・・この世の中の物すべてを指すのだ。私が調べた像の中で、これに一番強さや
魅力を感じた。この像を見ているだけで、私も頑張ろうという気持ちがわき出てくるよ
うだった。というのも、この像は、今の私の心情そのもののような気がしたからだ。何
かに対して頑張ろうと決めたとき、この様な表情になるのが当たり前で、その表情の険
しさに考えさせられた。そして、もっと私も色々なことにチャレンジして頑張ろう!と
思った。だから、この像は勇気を与えてくれる像なんだと気づいた。



♪♪調査をして気付いたこと♪♪
前、生命の授業の中で女性の方々が話され、問題となっていた『女性裸像』がやはり福山の町でも多くあることに気付いた。今まであまり目を向けなかった像にこれからは関心を示し、自分にもなにか意見を持ちたいと思う。隅々まで目をやると、町の中でもたくさんの像を発見できると思った。