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1999~2000年度沖縄研修「自然環境コース」の内容

事前準備

「自然環境コース」では、3泊4日の行程を自然観察を中心に過ごすということで、全体の研修旅行を企画する前に、インターネットの情報や現地の大学の先生、自然観察員の方から、自然観察に適した場所の情報をいただいた。自然環境を サポートしてくれる団体、組織 もある。

自然観察の場所

  • 本部町立博物館(自然環境の概説展示)
  • 塩川(湧水の段階で塩分を含んだ河川)
  • 米須海岸(海岸地形及び海浜植物観察)
  • 曼湖(鳥類の観察)
  • 金武町億首川(マングローブと鳥類の観察)
  • 名護博物館(産業と自然関係の展示)
  • 野生生物保護センター(国頭郡奥間に1999年7月にオープン)
  • 港川付近の海岸(海浜植物や珊瑚礁の観察)
  • 沖縄県立博物館
  • 末吉公園(那覇市)

旅程表

10月16日 Aコース
玉岡山空港→那覇空港→玉泉洞王国村→沖縄県立博物館
→宿泊施設・那覇(大学院生による研究紹介)
Bコース
岡山空港→那覇空港
→沖縄県衛生環境研究所(ハブ研-沖縄県立博物館-那覇(大学院生による研究紹介)
10月17日 Aコース
那覇→いんぶビーチ(グラスボート)→万座毛→やんばる亜熱帯園
→野生生物保護センター→トレッキング(比地)→恩納村
Bコース
那覇→いんぶビーチ(グラスボート)→万座毛→やんばる亜熱帯園→瀬底島
→ネオパークオキナワ→恩納村
10月18日 Aコース
恩納村→慶佐次・シーカヤックにてマングローブ観察→慶佐次→海水揚水発電所
→ネオパークオキナワ→恩納村
Bコース
恩納村→慶佐次・シーカヤックにてマングローブ観察→慶佐次→野生生物保護センター
→トレッキング(比地)→恩納村
10月19日 恩納村→沖縄海洋博記念公園→那覇空港→岡山空港

(参考)1999年度自然環境コース・学習のしおり
2000年度自然・環境コース学習のしおり
沖縄県の博物館情報

末吉公園(那覇市)

那覇市の北東部に位置し、市街地に隣接する広さ4haの総合公園。中央部は観葉植物・熱帯果樹など移入された植物が植栽されているが、周辺部では石灰岩地域の自然植生が見られ、うっそうとした森林を形成している。

      

内容
  • 観察には公園内に整備された遊歩道を利用し、森林植生の残る場所を中心に歩きながら行うのがよい。
  • 沖縄らしい昆虫類を見ることが出来る。
  • 両生爬虫類も豊富である。
  • ハブもいるので、足下にご注意が必要。
  • 身近な留鳥であるスズメやヒヨドリ・キジバト・メジロ・シジュウカラなどの野鳥がみられる。
  • 最近になって見られるようになった帰化鳥のシロガシラやアミハラなども見られる。
  • イソヒヨドリやツミなどの「都市鳥」化した鳥も生息している。
  • 野鳥の誘致地区として19haが県設の鳥獣保護区となっている。
  • 自然植生が見られ、森林地域がオオコウモリのねぐらになっている
  • 5:30から6:30まで、オオコウモリの飛来を待ってみた。
    6:00ぐらいから飛ぶ姿を観察することができた。
公園内に夕方現れたオオコウモリ

沖縄本島にはオオコウモリが生息している。夕方、森林の奥から公園に現れている。
オオコウモリの外見は、体毛は長くて茶褐色で、首の周りは淡い色でふさふさしており、皮膜は黒に近い褐色をしている。口先は長く突き出し、耳たぶは小さい。日中は森林の立ち木の枝に群れてぶら下がっており、日没とともに、餌を求めて活動する。コマテイシなどの街路樹の果実などを食べている。
妊娠期間は5~6ヶ月で、一産一子、生後50日ぐらいで親と同じ大きさになり、飛ぶこともできるようになる

ハブ研究所(大里村字大里)

現在は修学旅行を対象にした施設公開や講演はしていない

ハブについての基礎研究と対策及び捕獲法の研修などを実施している県の機関である。沖縄県衛生環境研究所で「ハブ研」と呼ばれている。

内容
  • 2000年度まで、一般にハブについての知識の普及ということで講習をされたり、琉球大学の理学部の学生の研修をていたが、業務に支障があるということで、現在は修学旅行への対応はしていただけなくなった。
  • 実際に、今回は飼育室内で餌やり、毒液をだすところを見学させていただいた。

(参考資料)『ハブ対策の方法・緊急から予防まで』(沖縄県衛生環境研究所編集)

曼湖(那覇市)

(那覇市)
県内最大の干潟が広がる漫湖干潟は、那覇市と南風原町側を流れる国場川と、豊見城村側を流れる饒波(ぬは)川が交叉する河口にある。最近埋め立てがすすみ、大きな橋ができるなど人工構築物が多くっている。饒波川河口側にメヒルギを中心としたマングローブ林が広がり、野鳥の集団飛来地になっている。

留鳥のバンが生息し、秋季にはシギ、サギの仲間が飛来する。冬季に野鳥の種類数や個体数とも最も多い場所である。台風の後でもあり、かなり汚れているという印象があった。河川に平行にはしる交通量の多い道路の街路樹にオオコウモリの食痕が多くあり、夕方から夜にかけて飛来することが予測される。

水量が増し、マングローブが水没しそうになっていた。

コバテイイシなどの街路樹の実を大コウモリが食べに来るらしく、果実の部分だけかじられた実が道路脇にたくさん落ちていた。

玉泉洞(玉城村字前川)

沖縄最長の鍾乳洞である。観光地化しており、体験学習などができる王国村が隣接している。

石灰岩が広く分布しているため、鍾乳洞が多いが、その中で最大のもの。1967年に愛媛大学の調査によって発見された。公開されているのは、約800m。90万本を超える鍾乳石の数や形での多さでは東洋一といわれる。

80mの鍾乳洞観察(生物の観察は僅か、所要時間30分程度)
体験学習の施設(作業内容によって所要時間は異なるが、体験学習可能)
玉泉洞王国村の入園料1200円
ハブ公園はオプションで600円
観光的色彩が強い。

やんばる亜熱帯園(名護市中山)

多くのヘゴを見ることができる。旅行中は昼食の場所として利用した。希望すれば沖縄の自然を紹介してくれる。

園内には、 数千本のヘゴの原生林 があり、天然の湧水が流れています。ヘゴはシダ類で、湿気を好み日照、土壌等の条件がそろって初めて生育する植物で、やんばるのイタジイの原生林とは対照的で、きわめて南国的な景観を呈しています。本校では、昼食場所として利用。

へゴの原生林の中にいたアフリカマイマイ

専門講師が、テキスト「ヤンバルに生きる動植物たち」を使って野外学習を実施。
野外学習は、所要時間60分。20~40名。
料金1500円にはテキスト「やんばるに生きる動植物たち」および入園料を含まれる。観光的色彩が強い。

知念海上レジャーセンター(島尻郡知念村字久手堅)

下見で乗船したが、研修旅行では「いんぶビーチ」のグラスボートを利用した。

グラスボートによる珊瑚礁の観察ができる。小型船で1隻15名程度。

グラスボードでの観察によってさんご礁などの観察ができる。船道が細く、波が出やすい地点であることから実施できない場合も多いという情報を得た。
他の海岸でもグラスボートにのれるところはあるので、必要なら他の場所を検討する必要がある。

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