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生命科学コースコンセプト

生命科学コースは、医・歯・薬系への進路を実現するためのコースです。
1年生では、各教科偏りなく学習し、大学進学に対応した基礎力を身につけます。2年生では、フィールドワーク、校外研修や実験・演習を豊富に取り入れた多彩な学習活動を提供します。また、社会の第一線で活躍する先生方による授業や卒業生との交流を通じての学びもできます。さらに、「実践英語」や理系のための「海外短期留学プログラム」で英語力の向上をはかります。3年生では、大学受験に向けてバランスに配慮しながら、進路希望に対応して実践的な力を養います。具体的な進路としては、国公私立の医学、歯学、自然科学、食品栄養学、農学分野への進学が考えられます。

概要[PDF:4,894KB]

生命科学の進歩に対応した学び

生命科学の進歩に対応した学び 21世紀、特に生命科学の進歩が著しく。私たちの生活のあり様を、それ以前とは大きく変えようとしています。日々の生活の医療や食料などに関する部分では、すでに大きな恩恵を受けているというのが事実です。しかしながら、気をつけなければならないのは、生命科学の技術は「生命」に関わるものであり、光と影をあわせもっているということです。使い方によって、人類にバラ色の未来をもたらす可能性がある一方、破滅に導きかねない危険性もはらんでいます。利用する側が、どの部分を伸ばし、どの部分を抑えていくかという判断が、生命科学が創造する21世紀をどのような時代にするかの鍵を握っているといえます。今、このような時代に対応できる人材の育成が求められています。

「生命」に関わる学び、生命観の育成

「生命」に関わる学び、生命観の育成 ガリレオの「それでも地球は動いている」とつぶやいた逸話の例にみられるように、科学はこれまでいろいろな意味で常識をくつがえしてきましたが、単に技術的に「不可能」を「可能」にしてきただけでなく、人間の思考にも影響を及ぼしてきたのです。物質、宇宙、生物などについて科学が解明したことは、自然界における人間の存在位置に関する認識に変革を突きつけてきました。科学を知らなければ、私たちは相変わらず自分たちが自然界の中心だと考え続けたでしょうが、科学を知った後でそのように考える人はいないのです。現在、生命現象を遺伝子レベルで解明する時代になり、生命科学は私たちの「生命観」そのものに影響を与えるようになってきています。現代は生命への畏敬の念の欠落した時代と言われることがありますが、科学が進歩し、「生命」を直接的に体感することが少なくなった時代だからこそ、ミッションスクールの女子校として今の時代に合った方法で「生命」を大切にする気持ちを育てていく教育が必要なのです。

自立できる女性を育てる

自立できる女性を育てる 科学を応用した技術は私たちの生活を劇的に変化させてきましたが、それと共に近年、ライフ・スタイルも大きく変化してきていることを見逃してはなりません。日本では、少子高齢化、結婚に対する意識などの変化が起こり、男女が共同参画して新たな社会を構築していくことが求められるようになってきています。今日、個性・能力を生かして社会に貢献できる女性が社会的に期待されるようになり、女性の生き方が大きく変容しようとしています。これまで活躍することが厳しかった自然科学の分野でも活躍が期待されるのは当然であり、理系に進路を考えている女子生徒には、科学教育、それを支える語学教育を十分に学べる機会を準備することが女子高としての使命であると考えます。

2006年からの清心中学校・清心女子高等学校の新プログラム

新しい時代へ・学園だより86号 山内宏之・森雅子 新しい時代へ・学園だより86号 山内宏之・森雅子

清心中学校・清心女子高等学校は2006年に創立120周年を祝います。この節目に向けて「心を清くし、愛の人であれ」という校訓のもとに「神に信頼をおき、社会をより良く変革するために貢献できる女性を育てる」という建学の精神を現代に生かす教育を考えてきました。情報化とグローバル化が新たな問題を生み出し、激しい技術革新の波が人びとの価値観や倫理観を揺さぶっています。そのような社会の中で、力のある心の豊かな女性が数多く育つことが一層大切になっています。なかでも現在、本校伝統の英語力、多様化する大学人試に対応できる学力、理系進学者への支援の三点を強化することが求められていると考えました。そこで来年度より、中学校英語新プログラム、高等学校文理コース・生命科学コースを開設することにしました。

中学校

中学校ではしっかりとした基礎学力をつける時期であることをふまえて従来から五教科の、とりわけ英語の十分な時間数を確保してきました。英語新プログラムを導入してさらに一層英語力を伸ばすようにしたいと考えています。この新プログラムのコンセプトは、英語学習を通じて異文化を理解し、他者を尊重することのできる心、そして自分の思いや意見を英語で伝えることのできる力、さらに将来国際人としてさまざまな分野で活躍できる基礎をつくることとしました。

  • 新プログラムは具体的にはSELP(セルプ)とNELP(ネルプ)の二つに分かれます。SELP では中学校に入って初めて英語を学習する生徒たちのために、系統的に文法を学ぶことができ、語彙数の豊富さでも定評のあるテキスト 『PROGRESS IN ENGLISH21』を用いる授業と外国人教師によるオーラルコミュニケーションを合わせて一年では週8時間、2年・3年では週9時間おこないます。内容豊富な教材を時間をかけてていねいに、じつくりと学習して力をつけます。
  • NELPでは帰国生など、すでに中学校入学までに英語力をもつ生徒を対象に英語の授業を全て外国人教師が行います。実践的なコミュニケーションカの育成を目標に、世界の姉妹校とのバーチャル・スクールでの交流なども取り入れた独自のカリキュラムで実施します。このプログラムは、社会的にも先進的なとり組みとして認められ、福武教育振興財団より英語教育重点地区・校としての研究助成を受けることになりました。
高等学校

高等学校では以前から、生徒一人ひとりが学ぶことの楽しさと意義を知り、学び続けたいと思える自分なりのテーマを見つけるために、様々な取り組みをしてきました。来年度からは今までの取り組みをさらに充実したものにするために、文理コースと生命科学コースという新しい二つのコースを開設することにしました。

  • 文理コースでは、自分がこれから何をやりたいか、自分ならではのテーマを見つけることを応援していきます。文系・理系、さらに学際的な分野など様々な進路希望に対応した選択制のカリキュラムを設定し、一人ひとりが自分の進路を考えて科目を選択していきます。科目を選択するためには、しっかりと自分の進路、つまり、自分がこれから何をやりたいか、大学に進学して何を学びたいかをきちんと考える必要があります。文理コースでは、この科目選択を行う中で自分の進路について考え、自分なりに納得のいく進路選択をすることによって、主体的に学習に取り組むことができるようにサポートしていきたいと思います。  また、7年間の実績がある「発展科目」を、リニューアルした形で文理コースの2年生の教育課程に組み込むことにしました。なかでも新しい試みとして始まるのが、川崎医療福祉大学との高大連携講座です。このプロジェクトは進化型高大連携教育として注目に催する試みで、高校と大学の教員が社会環境の変化や社会の求める人材像をふまえて、生徒に「大学で何を、どう学ぶか」ということを考える場を提供していきたいと思います。
  • 生命科学コースのコンセプトは、 21世紀の科学を象徴すると言われる生命科学の分野を学びたいと考えている生徒のために、さらに興味・関心を高め、学ぶ意欲をかき立てるような授業を提供し、生命科学分野への進学をしっかりと応援していくということです。1年生から単独のコースをつくることによって、進路目標を達成するために適したカリキュラム編成になっています。さらに、校外活動にフィールドワークなどの体験的な教育活動も数多く取り入れています。

学びたいという意欲を持って主体的に進学を志す人は、日々の勉強にも積極的に取り組んでいけることでしょう。2006年度から清心で始まる新しい 「学び」によって、生涯にわたって自分を生かし、社会に貢献するための力を、生徒一人ひとりを大切にしながら育てていきたいと思います。

論文

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