• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

「発生生物学グループ」の2015年度の取り組み

2016年2月19日

(1)活動の概要
<両生類・爬虫類>1989年度からサンショウウオやアカハライモリなどの有尾類の研究に取り組んできた。岡山県中南部に生息するカスミサンショウウオの研究から着手し、有尾類の繁殖方法の開発を継続して研究してきた。また、帰化種のミシシッピアカミミガメの行動調査(2009年度から)、生物工学的な手法でのアカハライモリのクローン作成(2013年度から)にも挑戦している。
研究の進捗状況は、カスミサンショウウオ、オオイタサンショウウオの飼育下の繁殖方法については、ほぼ確立できた。また、ミシシッピアカミミガメの行動調査は、市街地近郊の水田地域では行動圏の中心に水路がコンクリート化されない環境があることが解明できた。また、在来種のクサガメを駆逐している可能性があることが判った。アカハライモリのクローン作成については、核移植後の賦活をカルシウムイオノフォアや精子懸濁液で行い、胞胚まで発生させることに成功した段階にある。
生物教室ではこれまでいろいろな種類の両生類の飼育を試みてきたが、現在は研究に関連した種のみを継続飼育している。2016年2月で、サンショウウオ科のオオイタサンショウウオ、イモリ科のアカハライモリとシリケンイモリを維持している。
<酵母>2007年度から研究を開始したが、当初はいろいろな花から野生酵母の菌株を採取し、種の同定をして比較することによって、花の種と酵母の種の関係を生態的的に解析することを目指した。しかしながら、菌株の採取ができる花が種としては少なかったので、菌株が採取しやすかったツツジの花に限定して、広い地域から菌株を採取し、その形態、染色体数、リボソームRNAをコードするDNAの塩基配列(18SrDNA)、電気泳動核型を指標に分類することに着手し、さらに、その化学反応の能力(アルコール発酵能、セルロース分解能、キシロース資化能)を調べ、人間生活に有用な菌株を見つけることに挑戦した。
2015年度は、アルコール発酵能・セルロース分解能・キシロース資化能の3つの能力を同時に持つ酵母として、塩基配列を同定してMetschnikowia pulcherrimaのを見つけることができた。Metschnikowia pulcherrimaは、その仲間がグルコースやガラクトースを基質としてアルコール発酵をする能力を持ち、かつセロビオース(セルロースをセルラーゼで分解すると生じる)やキシロースを資化する能力を持つことが確認されている。そのため、実際に花酵母を用いて、木質バイオマスを原料としたバイオエタノールの生産に利用できると可能性がある種だと考えられる。次年度は、その有用性について検証したいと考えている。
<森林>2006年度実施している森林調査(生命科学コース1年生対象の学校設定科目「自然探究Ⅰ」で行っている森林調査のデータを解析して考察するという形で研究を進めてきた。今年度は、これまで行われていなかったクヌギ人工林を対象として調査を実施し、その結果をこれまでの調査結果と比較することで、同じ樹種でも人工林と天然林という違いでどのような差があるのかを比較し、これらの結果から、どのような森林が効率よく二酸化炭素を吸収しているのかを明らかにすることを目的とした。
また、研究成果を交流に生かすことを考え、マレーシアのUTHM大学の大学生大学院生との合同調査や久米島西中学校での環境学習を実施した。
(2) 校外での発表実績
<両生類>
2015年9月19日 日本動物学会第86回新潟大会高校生によるポスター発表・優秀賞
「イモリのクローン作成を目指して」
2015年11月17日 International Conference on BIODIVERSITY 2015 
Development of Techniques for Cloning Amphibians by Nuclear Transplantation
2015年11月17日 International Conference on BIODIVERSITY 2015 
Development of Techniques for Captive Breeding of Endangered Salamanders
2015年11月17日 International Conference on BIODIVERSITY 2015 Best Poster Award
The Impact of the the Red-eared slider, Trachemys scripta elegans, on Native Turtle Species in Japan
<酵母>
2015年8月6日 スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会 ・ポスター賞、生徒投票賞
「バイオエタノール製造に利用できる酵母を求めて」
2015年8月4日 第5回高校生バイオサミットin鶴岡 ・農林水産大臣賞
「バイオエタノール製造に利用できる酵母を求めて」
2015年11月1日 第54回日本薬学会日本薬剤師会日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会・優秀発表賞
「バイオエタノール製造に利用できる酵母を求めて」
<森林>
2015年5月16日 中四国地区生物系三学会合同大会(愛媛大会)・生態・環境分野優秀プレゼンテーション賞
「ブナ人工林は天然林より多くのCO2を吸収するのか」
2015年11月17日 International Conference on BIODIVERSITY 2015 Best Poster Award
Forest diversity and CO2 absorption
2015年12月12・13日 第13回高校生科学技術チャレンジ(JSEC)最終審査・優等賞
「CO2をより多く吸収するのは天然林か、人工林か?」

  • 投稿者 akiyama : 18:24

最近の記事

第4回高校生両生類サミットを開催  QRコードで申し込み
【交流会のスケジュール】 10:00~10:30 ZOOMへの接続の確認 10:30~10:50 開会行事・ビデオ上映(山脇有尾類研究所の紹介) 10:50~11:20 講義➊日本両棲類研究所所長・篠崎尚史氏 「両生類からの研究の展開」 11:20~11:35 発表① 岐阜県立大垣北高等学校 タイトル:岐阜県に生息する渓流性サンショウウオの生息適地モデルの作成と系統解析 11:35~11:45 …続きを見る
第4回 高校生両生類サミットWeb交流会
目的: ① 女子高校生の理系進学を推進・支援する。 ② ZOOMを使った高校生の科学研究の成果発表を通して、地域を超えた研究交流を行い、理系女子生徒間の友好・仲間意識を深め、全国の理系女子のネットワークの拡充を図る。 ③ 大学や研究所の研究者に、将来のロールモデルとしてメッセージを伝えていただく。 ④ 研究テーマを両生類に絞ることで、深い内容まで踏みこんだアドバイスを行い、高校生の研究レベルの底…続きを見る
2019年購入4年使用PC、Win10からWin11への無償アップデートに挑戦
Shuttleのベアボーンキットで組み立てた自作機がWin10のままだったので、OSをWin11にアップデートしました。機種は2019年11月9日購入のDH310V2(27,489円)です。4年間使用してきましたが、休憩していました。 Win11へのアップデートか可能かどうかを診断したら、「このPCは現在、Win11システムの要件を満たしていません」表示され、TPM2.0が有効になっている必要があ…続きを見る
中高校生の科学研究のためのオープンラボ「山脇有尾類研究所」開所
 中学生高校生が科学研究に取り組むための場所として「山脇有尾類研究所」を開設しました。開所式では、内閣府科学技術イノベーション推進事務局局長、慈恵会医科大学学長、国際医療福祉大学学長にお祝いの言葉をいただき、生徒の研究成果の発表、基礎生物学研究所所長の阿形清和先生に記念講演、研究施設の見学という内容で実施させていただきました。これから、有尾類を研究対象にした生命科学分野の研究と学校ビオトープの造成…続きを見る
山脇有尾類研究所開所式の案内
このたび山脇学園では、有尾類(イモリやサンショウウオなど両生綱有尾目の生物)に特化した研究機関として「山脇有尾類研究所」を設立しました。 両生類は、環境汚染に敏感なため「環境のカナリア」と呼ばれ、両生類の生息数の減少が地球規模での環境問題に警鐘を鳴らしています。さらに、イモリは再生医療の研究対象として世界的に注目を集めています。 本研究所を設立した目的は、有尾類に関する研究環境を中高生に提…続きを見る
山脇有尾類研究所の設立の経緯
 女子高校生にとって生物学は、物理学や化学に比べて、研究テーマを見つけやすく、将来どのような科学分野に研究に進む場合も入り口になると考え、学内に生命科学分野の研究室と動物飼育室を設置することをスタートラインにした。高校生の科学研究の基幹施設として立ち上げる。準備段階で、2022年3月まで南九州大学の理科教育研究室で使っていた研究機器を2022年4月に山脇学園に移管して、生命科学分野の研究ができる基…続きを見る

このページの先頭へ