• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

先輩からのメッセージ:後藤(旧姓三宅)敦子

2005年5月 1日

一緒に授業「生命」を2003年度まで担当していた三宅先生からのメッセージです。

 清心女子中学校・高等学校で7年間教壇に立ち中学理科と高校生物を教え,現在はパートナーの仕事の関係で渡米し,次の目標探し中です。
渡米直後は生活のために必要な英語を習得することが必要なこともあり,久々の学生生活を楽しく過ごしていましたが,半年過ぎた頃から何かが足りないと気付きました。その「何か」というのは「目的」でした。何かを学ぶには目的意識がなければ意欲が湧かず,長続きさせることも難しいのです。
目的を見つけるためにはまず「自分が興味を持っている分野」に関する知識を得ること,そして「自分がやりたいことは何か」を探すことが大切ですが,その過程で「面白い!もっと知りたい!調べたい!」と思える刺激的な情報を得る機会があるか否かが大きなカギになると思います。
自分がかつて担当していた清心女子高校独自の発展科目の授業「生命(共同開講)」,「人間とバランス」では時々現役薬剤師など講師を招いて講演をお願いしていましたが,まさに生徒にとって「刺激的な情報を得る機会」となり得ていたようで,この授業をきっかけの一つとして進路を決める生徒・志望学部への進学意志を固める生徒が多くいました。
理系進路を選択する上で科学の知識を得て「面白い!」と感じるというのは非常に大切な動機だと思います。「理系科目の成績が良い」ことが必要条件ではありません。実際に化学に苦労しながらも「○○の仕組みを解明したい」という大きな夢を持ち,薬学部へと進学した生徒もいます。また,英語が読めることが研究には必要(重要な論文はほとんど英文)なので理科が良くできるより英語に強い方が良いということもあります。
面白いと感じるからこそ,「不思議だ。何故だ。もっと知りたい。」という探究心につながるのだと思います。面白いからこそ,少々大変なことであっても頑張ることができるし,またやり甲斐もあるのです。
研究の道では「人と同じことをするのでは意味がない」とよく言われます。なぜならば,人と同じことをしている限り,真似にしかならないのです。そういう意味で,「自分を持つ」こと,「オリジナリティー(独創性・独自性)」といったことも研究者には大切な要素です。
また,考えたことを実践する「行動力」,興味を持ったことに対し自ら動く「積極性」,これらはどのような分野であっても非常に大切なことです。高校在学中に多くのものを得る生徒には必ずといって良いほどこの2つの要素があります。
ここまで読んで「結構該当するわ」と思うあなた,ライフサイエンスの分野へ挑んでみませんか?
生命科学分野にはまだまだ多くの謎があります。またその多くの謎の解明が世界的にも切望されています。その謎の解明に携わる女性ライフサイエンティストへの第一歩を是非踏み出してください。

  • 投稿者 akiyama : 20:24

最近の記事

論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(15)科学教育への思い
科学教育への思い  私自身は、大学卒業時に研究を志すものの、経済的な理由で大学院進学をあきらめ、高等学校の教員として就職した。40歳過ぎた頃休職して修士課程は修了したものの学位の取得は断念していた。そんな時、大学の先生から「研究できる環境がないなら、高校に研究できる環境をつくればいい」と紹介されたのがSSHだった。 SSHは、生徒の科学研究だけでなく、教師である私にも科学研究の機会を与えてくれた…続きを見る
論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(14)グローバルな視点で理科教育を考える。
グローバルな視点で理科教育を考える  「なぜ銃を与えることはとても簡単なのに、本を与えることはとても難しいのでしょうか。なぜ戦車をつくることはとても簡単で、学校を建てることはとても難しいのでしょうか。」 2014年、17歳でノーベル平和賞を受賞したパキスタンのマララ・ユスフザイさんの言葉である。彼女は"女性が教育を受ける権利"を訴え続けてきた。今も、女子だからという理由で学校教育を受けられない国…続きを見る
論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(13)「発表者が女子だけ」の課題研究発表会を企画
「発表者が女子だけ」の課題研究発表会を企画  「女子生徒の理系進学支援」の一環として、"科学研究"の成果を研究の途中段階でも気軽に発表できる場として、"発表者が女子だけ"の「集まれ!理系女子・女子生徒による科学研究発表交流会」を2009年から開催している。最初は、近隣の福山大(広島県福山市)を会場にしていたが、年々参加者が増え、2014年度から全国から参加者が集まりやすい場所で開催するようになっ…続きを見る
論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(12)教育プログラムの効果
教育プログラムの効果  2015年度のデータ(次の図)で、本研究の対象としている生命科学コースの方が、文理コースより教育活動を非常に高い割合で肯定的に受け入れており、学習に前向きに取り組んでいる姿勢がうかがえることがわかる。また、卒業後10年が経過しても、現在の生活に生命科学コースの教育が影響していると8割以上が答え、好奇心・理論へ興味などが向上したと8割が判断していることがわかった。保護者・教…続きを見る
論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(11)「自然探究Ⅰ」からの課題研究
「自然探究Ⅰ」からの課題研究  入学して間もない高校1年生の森林実習は、自然体験が非常に少ない女子生徒に「山に入るとは山道をハイキングすることではなく、山道の雑草をかき分けて林床に入るような体験をさせたい」という方向で企画したプログラムである。当初は「樹木の種類を区別できるようになること」と「森林調査を"体験"すること」を目的にして出発した。4泊5日の森林調査での共同作業、そして共同生活が生徒に…続きを見る
論文「科学課題研究」を中心に据えた女子の理系進学支援教育プログラムの開発(10)テーマはどのように設定したのか。
テーマはどのように設定したのか。   「生命科学課題研究」で、生命科学コースの4つのグループが取り組んでいるテーマは図のとおりである。これらは大学の研究室のイメージで研究テーマを設定している。  「生命科学課題研究」以外の「自然探究Ⅰ」の実習や「生命」のアンケート調査などから派生したテーマも生徒が希望すれば取り組ませている。  「自然探究Ⅰ」の森林調査から、「遷移段階の異なる森林の二酸化炭素吸収…続きを見る

このページの先頭へ