• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

日本爬虫両棲類学会第46回(琉球大学)での発表

2007年11月17日

マイクロチップを使ったアカハライモリの水田付近での移動の追跡の試み
Tracking of Cynopus Pyrrhogaster with micro chip in paddy fields
秋山繁治(清心女子高)
動物の生態調査に、標識再捕法が使われるが、両棲類の標識方法として、カエル類には指切り法がよく使われてきた。この方法はカエル類には有効であるが、イモリ類のように再生力がある動物には使用できない。アカハライモリは腹部の模様による個体識別が行われているが、本研究は、多くの個体を確実に識別できる手段として、マイクロチップを体腔に入れる方法を使った。2001年6月から、岡山県苫田郡鏡野町の河川へ流れ込むコンクリート製側溝がある水田地域で、マイクロチップで標識した個体を放流し、再捕獲した位置を記録した。
調査水田で捕獲数が最も多かったのは、2002年・2003年ともに、積雪が溶けた4月(田に水が張られる前)と積雪前の11月(米を収穫した後)で、側溝(長さ54m)内で1,000匹を越えていた。標識した個体の移動に関しては、側溝内を移動し、側溝から河川の出水口へ流されたものは元の側溝には戻らないと考えていたが、一部戻っていることが確認できた。中でも最も移動したのは、河川の出水口で見つけた個体が70m離れた側溝で確認できたものである。また、約2m高い位置にある土手の道路を挟んで反対側にある水田に移動しているものもいた。アカハライモリは、陸上を移動することによって、水田側溝から河川への出水口に出た場合でも、流されてしまうのではなく、土手や道路を越えた水田地域に移動していることがわかった。なお、2001年に放流した標識個体185匹で、2007年11月に再捕獲できたのは10匹(5.4%)であった。

2007-IMG_5083.jpg
2007年11月の調査風景

2007-IMG_5123.jpg
生物部の生徒もイモリの捕獲調査に協力

  • 投稿者 akiyama : 22:49

最近の記事

スピノザのいう自然権とは
ます、スピノザの自然権を理解するために『神学・政治論』の第16章の2節から5節をまとめてみます。 第16章 2節 自然権とは「各個物の力の及ぶ範囲」である。 スピノザはまず、「自然の権利」とは何かを定義します。ここでいう自然権とは、道徳的に正しい権利や、人間社会の法律上の権利ではありません。自然の中に存在するすべての個物が、自分の本性に従って存在し、活動する力そのものを意味します。 たとえば、魚…続きを見る
『有尾類研究所という思想』観察から制度へ、そして自由へ
新年度を迎え、これまで文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業において、支援をいただきながら開発してきた教育プログラムの構築過程を、一冊の本にまとめようと思い立ちました。 今年で70歳になります。世間では「老害」と揶揄されることもある年齢かもしれませんが、来年3月で教育現場を去る私にとって、これは自身の歩みの集大成だと(いささか手前勝手ながら)考えています。 もっとも、引き受けて…続きを見る
恩原湖付近の水田風景(雪解け)
先月、恩原湖を訪問した際には、残雪によって水田は完全に覆われていました。そこから14日が経過し、雪はすっかり解けていましたが、現れた水田は休耕田となり、枯れた草に覆われた状態でした。5年前に最後に訪れたときには、春には水が張られていましたが、耕作されていた方が亡くなられた後、放棄されたようです。 この場所を訪れると、雉に出会ったり、水田の脇でシュレーゲルアオガエルが白い泡状の卵塊を産んでいたりと、…続きを見る
「高度経済成長の熱気」と共に育ち、成熟社会への転換点で社会へ出た世代
1956年に生まれ、1979年に大学を卒業した私は、「高度経済成長の熱気」とともに育ち、成熟社会への転換点で社会に出た世代である。1956年は、フランクルの『夜と霧』という「意味への意志」を問う名著が日本に紹介された年でもある。激動の25年を経て、「変わっていく時代に何を信じればよいのか」「教育は何のためにあるのか」、そして「これから残された人生をどのように生きるのか」という問いに向き合わざるを…続きを見る
no image
映画アニメ『ひゃくえむ』は2025年公開されたドラマで、100m走に取り組む選手の生きざまとして、その「才能」「努力」そして「何のために生きるのか」という根源的な問いが扱われていました。 物語の主人公は、生まれつき足が速く、100m走で常に1位を走り続けてきたトガシ。彼にとって「速さ」はアイデンティティそのものであり、周囲を見下す唯一の根拠でした。しかし、理論派で執念深い小宮という男との出会い、そ…続きを見る
山脇有尾類研究所事業報告(2025年度)
山脇有尾類研究所は、2024年度のSSH指定に向けた準備組織にとどまるものではなく、「女子校から世界の科学舞台へ」という大きなビジョンを具現化するための、科学教育の新たな拠点として機能している。本研究所は、高校生の科学研究を支える存在として、次の三つの役割を担っている。 第一に、「真正な科学研究」の実践の場としての役割である。従来の高校の授業や部活動の枠を越え、大学の研究室に匹敵する「オープンラ…続きを見る

このページの先頭へ