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生物工学会誌で「清心女子高 生物部の歩み」を紹介(その5)

2008年8月25日

 各グループの指導は、(1)は広島大学理学部両生類研究施設・山口大学理学部・川崎医科大学、(2)は岡山大学理学部、(3)は福山大学生物工学部の先生方を中心に協力していただいております。高校の部活動に、それぞれのテーマの専門家と相談しながら研究を進めていけるような大学の雰囲気を持ち込むことを目指しています。高校の勉強は、大学受験のためだけになりがちですが、部活動が大学の研究への接点となって、若い世代の研究者を育てることにつながっていけばよいのではないかと考えています。
 本校のSSHの研究課題は「“生命科学コース”の導入から出発する女性の科学技術分野での活躍を支援できる女子校での教育モデルの構築」ですが、120年以上の歴史があり、旧来の女子教育の呪縛から逃れにくい学校が先進的に女子の理系への進学を支援することは、社会の意識を変えるきっかけとして重要であると考えています。女子校の構成者は女子だけなのですから、部活動や実験・実習などすべての教育活動において女子がリーダーシップをとらざるを得ない状況にあります。そのことは逆に言えば、リーダーシップを養成し、積極性を身につけるのに適した環境であるともいえるのではないでしょうか。部活動での研究活動以外にも、“蒜山の森”(鳥取大学)での調査活動、大学に出向いての実習(岡山理科大学・福山大学)、沖縄研修(琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底実験所)、ボルネオ海外研修(マレーシア国立サバ大学)などの自然科学を学ぶ基礎となる教育活動を盛り込んでいます。
女子理系が極端に少ない日本社会にあって、本校生物部での教育活動が、女性の科学分野での可能性を広げる一つの取り組みとして有効であると信じています。

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鳥取大学”蒜山の森”での実習

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生命科学の実習

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マレーシアサバ大学での研修

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SSH生徒研究発表会でJST理事長賞

【参考文献】
1)秋山繁治:孵化後実験室内で飼育し産卵したカスミサンショウウオ,両生爬虫類研究会誌,No.41.P1-5(1992)
2)秋山繁治:有尾類の保護を考える,岡山県自然保護センターだより,Vol.14 (3).p2-6(2005)
3)秋山繁治:ため池の脊椎動物・魚と両生類,水環境学会誌,Vol.26 No.5.p18-21(2003)」
4)座談会「女性理系はなぜ少ないか」,大学時報(日本私立大学連盟),No.310.p14-25(2006)
5)秋山繁治:女子の理系進学を支援するSSHの取り組み,理科教育の現状とSSH校実践シンポジウム講演集(日本科学教育学会中国支部),p2-7(2007)

  • 投稿者 akiyama : 11:22

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