• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

「精神」という自己治癒力

2024年6月23日

 img071.jpg

『ヴィクトール・フランクル それでも人生には意味がある』(勝田茅生著)NHK出版 p70-71より抜粋
 ロゴセラピーでは、人間を単なる因果関係でとらえることはしません。「何らかの原因により結果が出る」という因果関係のメカニズムは、動物が何らかの刺激に対して本能的に反応するのと同じような、二元的な考え方だからです。
 フランクルは、人間と動物とを厳然と区別しました。人間は、何らかの原因に対して、動物とはまったく異なる行動をすることがあるからです。
 たとえば、人間は自分がどれほど空腹でも、他の空腹な人に最後のパンを差し出すことができます。動物だったら、通常はあり得ません。「おなかが空いた」という苦痛があれば、自分のパンを食べて苦痛を取り除くという反応を示すでしょう。
 しかし、人間は心と体の苦痛を乗り越えて、他の人を助けるという「意味」のある行動を取ることができます。このような現象は、単なる「原因と結果」の図式だけでは説明できません。だからこそフランクルは、心や体を超越する第三の次元、「精神」があると考えたのです。精神が心と体の快楽欲求を抑制するからこそ、「意味」 のある行動ができるのです。
 この人間の特殊性を立体的に観察することによって、フランクルは心身の束縛から切り離された「精神的次元」の存在を確信するようになりました。それは、いわば人間が人間らしくなれる「自由の場」です。本能的な欲求から自由になった精神的次元の力を使って「意味ある行動」ができれば、私たちの気持ちは満たされ、生きる意味を感じられるようになります。つまり精神というのは、人間が心の中に持っている自己治癒力のようなものなのです。
精神という自己治癒力が十分に発揮されれば、過去にどれほど辛い経験をしたとしても、新しい人生を歩み出すことができます。過去とは関係なく、未来を創り出せるのです。

 6月22日にEテレで「心の時代(宗教・人生)」の『ヴィクトール・フランクル それでも人生には意味がある』の第3回が放送された。9月まで6回シリーズを楽しませていただいている。これまにフランクルの著作『夜と霧』、『それでも人生にイエスという』を読ませていただいたが、人間は「常に自分のあり方を自分で決断していく存在」であり、「運命は誕生時たときに決まっている」「自分で人生を変えることはできない」という運命論的な考えは間違っており、どうすることもできない状況になっても、自由に自分の態度を決めることができるのが人間であるという考えを再認識しました。

 
 

  • 投稿者 akiyama : 12:27

最近の記事

化学グラコン・審査委員長賞「2つの能力を野生酵母菌に求めて」
パソコン内のファイルを整理するためにあれこれと見返していたところ、『高校化学グランドコンテスト ドキュメンタリー 高校生・化学宣言 part 6』という本に掲載するために、生徒が当時書いた原稿が見つかりました。そこで今回、内容に大きく手を加えることはせず、簡単な校正を行ったうえで公開することにしました。 なお、ここに示す文章は、生徒自身が研究の歩みを振り返って書いた原稿です。そのため、書籍に掲載さ…続きを見る
デンマークでの人々の生き方と社会の仕組み
『第3の時間』井上陽子著を読んでいます。本書は、39歳でデンマークに移住した著者が、そこで出会った「短時間労働でありながら豊かな暮らしを実現する人々の生き方」と、それを支える社会の仕組みを紹介した一冊です。 著者が提示する「第3の時間」とは、時計で測られる「第1の時間(客観的・社会的時間)」でも、心の流れとして感じられる「第2の時間(主観的・心理的時間)」でもなく、「質としての時間」を指します。そ…続きを見る
マレーシアのツン・フセイン・オン大学と高大連携で実施する環境学習
山脇有尾類研究所が企画して、マレーシアのツン・フセイン・オン大学(UTHM)と連携協定を結び、文科省SSH指定校の山脇学園高等学校の生徒対象で、2026年8月16日から8月25日の10日間の日程で、環境学習を目的にした海外研修を実施することになりました。 …続きを見る
有尾類との出会いで学んだこと
雪花が散る林でオオイタサンショウウオの産卵を観察 2009年1月24日、九州はこの年一番の寒波に見舞われていた。大分県国東市での野外調査である。午前10時、山際を散策していると、林の中に水田跡の湿地があった。残雪が残る静かな林の中で、溜まりの水面がわずかに波打っているのが見えた。近寄ってみると、オオイタサンショウウオが群がり、まさに産卵の最中であった(写真)。 これまで両生類は、雨が降り気温が上昇…続きを見る
藤井風「帰ろう」、「満ちていく」、「prema」そして、「grace」
藤井風は、岡山県浅口郡里庄町から、岡山市東区にある岡山県立岡山城東高校(2015年度入学:音楽学類ピアノ専攻)に通っていた。私の息子(2004年度入学)も娘(2007年度入学)も、同校に毎日自転車で通学していた。藤井風もまた、里庄から東岡山まで、約50kmの道のりをJRで1時間かけて通っていたのだろう。 里庄は、教え子の息子が小学生の頃からサンショウウオの研究について相談を受けており、何度か訪れ…続きを見る
2027年度共学化。清心女子高校はSSH指定10年間で何を目指していたか。
清心女子高等学校を9年前に退職しました。今改めて東京の新たな学校で2024年度からSSH採択され、今度は、学校内に生徒の科学研究の場所を「研究所」という形で提供する試みを実践しています。 清心女子高校のSSH申請案の作成から、2006年度の採択以降2016年度までの10年間、SSH主任および生命科学コース主任として、何を目指して取り組んできたのかを、改めて振り返りたいと思います。 2025年10…続きを見る

このページの先頭へ