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私立大学連盟の座談会「女性理系はなぜ少ないか」

2006年9月20日

7月5日に、市ヶ谷の私学会館で、「女性理系はなぜ少ないか」というテーマで座談会がありました。参加者は、日本女子大学の平田京子先生、中央大学の今井桂子先生、東海大学の佐々木政子先生という顔ぶれで、3人の理系女性研究者と、SSHで女性の理系進学を支援することをテーマにしている担当者でおこなわれた。2時間にわたる会話の内容は日本私立大学連盟が発行している『大学時報』2006年9月号No.310のp14~25に掲載されています。(9月20日発行)

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9月20日発行 「特集 再考 大学教育とは」
日本私立大学連盟 『大学時報』No.310 Sep. 2006

(内容の一部を紹介します)
秋山 私の中学校・高校は、ノートルダム清心女子大学の系列校です。大学は文学部と人間生活学部を擁しており、文系色が強いため、本校も地元では、文系への進学中心の学校というイメージが強いです。しかし、近年医療系を中心に、理系へ進学する生徒が増えてきたので、そのことに対してきちんと対応した教育を考えるべきではないかということになりました。今までは高校二年で文系・理系を選択するごく一般的な教育課程だったのですが、入学時から理系進学に対応したカリキュラムをつくろうということになり、今年度から「生命科学コース」を開設しました。「生命科学」としたのは、現状で進学者が多いのが、医療・農学・理学など生命科学分野だったからです。現在、一クラス三十人が、新しいシステムで学んでいます。 また、女子生徒に理系を前向きに選んでもらうための資料冊子を作成しました。この冊子には、本校を卒業して理系に進んだ先輩から、進学した分野の紹介と応援メッセージ、女性の理系への進学を取り巻く社会の現状データを掲載しています。全体としてメッセージ集という形にしたのは、女子が理系に進学しない最も大きな理由としてロールモデルが少ないからだと考えたからです。また、データは、日本社会の現状を知って考えてもらうために用意しました。例えば「世界の大学の物理学科における女性の割合」をみると、日本では圧倒的に少ない状況です。 この状況の根底には、家庭も学校も含んだ社会の影響がかなり根強く影響していると思います。そのことを学校教育では考えていかなければならないと思います。日本では、中学生段階からかなり理系嫌いが進んでいますが、女子の選択肢として、「本当に自由」に選べることを大切にしてあげたいと考えています。私どもの高校は、二〇〇六年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けて研究しています。SSHは、各県の受験優秀校か、理系進学に特化したコースをもっている高校が指定されることが多いように思うのですが、本校では「女子の理系への進出」を打ち出して申請し、指定を受けました。
その背景には、文部科学省の第三期科学技術基本計画に、「女性研究者の活躍促進」がとなえられており、女性研究者の採用目標を、自然科学系全体で二十五%にするという方針があり、その中で評価されたのかなと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・
秋山 中学校で理系嫌いが増えていることも大きな要因で、そのまま高校にいって受験のための勉強になってしまい、さらに嫌いになっているようです。理系嫌いの中でも、特に物理嫌いが進んでいると思うのですが、教科選択で、興味では選べない状況があると思います。例えば、女子が理科で物理を選択したいと言ったときに「受験に使えるのか」と言われることも多いのではないでしょうか。私は、「おもしろそうだ、やってみたい」という気持ちを大切にすることがまず一番だと思います。卒業生で、大学の英文学科に進んだのですが、四年生のときに物理学がやりたくなって、大学の物理の先生に個人的に指導していただいて、理論物理を学んだ学生がいます。最終的に学位を取って、そちらの方面で活躍しています。そのような例は特殊だと思うのですが、理系に進学したくても素直に選べる環境が整っていなかったり、わかってあげる先生方が少ないことは問題だと思います。
今井 おもしろいかどうかは一回やってみなくては分かりません。それも、きちんと取り組んでみなければ、自分に合っているかどうかの判断はできないと思うのです。ですから小さい頃はいろいろなことを真剣にやってみる必要があります。そうすると選択肢が広がって、自分のやりたいことが見つかるのではないかと思うのです。子どもたちが自分に何が合っているのか、何が本当に好きなのかということが見つかりにくくなってしまっていることが心配です。それから、小学校からきちんと理系のおもしろさを伝えてくれる先生を増やさなければ、どうしようもないという気がいたします。東京だと実験をする塾がたくさんできているようです。それは裏を返すと、小学校・中学校で実験が少なくなっているということでしょうね。
佐々木 いま日本の小学校には理科の実験室がほとんどなくなっています。昔はど
の小学校にも実験室があって、顕微鏡ぐらいだれでも覗けたのですが。そういうスペースが小学校にないというのは問題で、「科学技術創造立国」といいながら、やっていることは逆行しています。 ですから、小学校、中学校、高校できちんと理系を楽しませるような施策をするということは必須だと思います。

  • 投稿者 akiyama : 23:38

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