• ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室
  • ぼうぼうどりの生物教室

フィリピン大学で森林生態系についての講義

2026年3月13日

 研修の一環として、私たちはフィリピンの高等教育・研究の最高峰であるフィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)を訪問しました。同校の森林・自然資源学部(College of Forestry and Natural Resources)において、森林生態学および植物生理学の権威であるアロナ・リナトック准教授(Assoc. Prof. Dr. Alona C. Linatoc)をお訪ねし、フィリピンの多様な大自然と、それを支える森林生態系に関する特別講義をしていただきました。

アロナ・リナトック(Alona Linatoc)先生のご紹介
 植物生理生態学(Ecophysiology)、森林生態学、および生物多様性保全。熱帯雨林における植物の光合成特性や炭素固定能力(気候変動対策)、生物多様性の保全に関する数多くの国際的論文を発表されている気鋭の研究者です。フィリピン政府の専門委員(CPSP-CATS 森林部門委員)など、国家レベルの専門職連携プロジェクトでも重要な役割を担われています。

講義の内容
 リナトック先生の講義は、フィリピンが世界有数の「生物多様性のホットスポット(固有種が極めて多いものの、危機に瀕している地域)」であるという現状からスタートしました。

IMG_0581_1980.jpg

IMG_0602_1980.jpg

 講義では、単に植物の名前や分類を覚えるのではなく、以下のような「動的な生態系の仕組み」を分かりやすく解説していただきました。光と植物の生存戦略: 熱帯雨林の階層構造の中で、高木(日向)と林床(日陰)の植物がどのように光を分け合い、適応しているか。
 熱帯の多様な森林が、天然のカーボンシンク(炭素の吸収源)として、地球温暖化が進む現代においていかに膨大な二酸化炭素を蓄え、地球環境の緩和に貢献しているか。熱帯生態系について学ぶことができました。

IMG_0590_1980.jpg

 最前線で活躍される女性科学者による情熱的な講義は、生徒たちにとって大きな刺激となり、学問としての自然科学の面白さを再認識する極めて貴重な時間となりました。最後に、同行していただいている鳥取大学で森林生態学を研究されていた佐野淳之元教授にコメントをしていただきました。

260313sano.jpg

  • 投稿者 akiyama : 23:23

最近の記事

数学者の岡潔の「情緒」についての思想
   岡潔は、「情緒が人間を創造的にする」ということを一貫して述べています。ここでいう情緒とは、単なる感情の動きではありません。美しいものに心を動かされること、自然の中で不思議さを感じること、人との出会いに感動すること、生命をいとおしいと思うこと。こうした経験が、人間の内部に「まだ言葉にならない世界」をつくります。その世界が成熟したとき、「なぜだろう」という問いが生まれます。岡潔は、この順序を非常…続きを見る
自由を可能にする教育(スピノザの哲学する自由から考える)
   スピノザは『神学・政治論』で、「哲学する自由(libertas philosophandi)」を抑圧することこそが、国家の平和を危うくすると論じている。この考えは、学校教育にも深く関わっている。国家が人々の思考を完全には管理できないように、学校もまた、生徒の心を完全に管理することはできない。むしろ、管理によって生徒の考える自由を奪おうとすると、教育そのものが内側から壊れていく。  スピノザ…続きを見る
映画『急に具合が悪くなる』を鑑賞
【映画『急に具合が悪くなる』のあらすじ】  パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長マリー。彼女は、入居者を人間らしくケアしたいという理想を抱きつつも、人手不足やスタッフの無理解に悩む日々を送っていました。マリーは、コミュニケーション・ケア技法「ユマニチュード(Humanitude)」を介護施設に取り入れようとしていました。そんな彼女が出会ったのは、日本人演出家、森崎真理でした。真理が演出するのは…続きを見る
ルソーとアドラーから考える、主体性と共同体の教育
 ルソーの「一般意思」とアドラーの「共同体感覚」は、一見すると、政治哲学と個人心理学という異なる領域の概念です。しかし、どちらも「他者と共に生きる中で、個人の主体性と自由をどのように育てるか」という問いに深く関わっています。この二つの思想を手がかりにすると、現代の学校教育、とくに管理や一律化に傾きがちな教育を見直すための重要な視点が見えてきます。  ルソーは『エミール』の中で、子どもを育てる際に…続きを見る
有尾研という思想 ⑨学級通信「ぼうぼうどり」から授業「生命」
⑨ 学級通信「ぼうぼうどり」から授業「生命」 ― 生き方を問う教育の出発点 ― 1 関係から始まった教育  私の教育実践は、一九八三年に清心女子高校に赴任し、最初の年に高校一年生の担任を持ったところから始まった。赴任した学校は、伝統ある、しつけの厳しいカトリックの女子校という印象であった。  当時の高校現場には、いま振り返ると独特の緊張感が漂っていた。一九八〇年代は校内暴力といじめが社会問題化し…続きを見る
有尾類研究所という思想 ⑤研究倫理 
⑤ 研究倫理 生命を扱う研究を成立させる判断の技術 1 研究倫理とは何か ― 生命を扱う研究の出発点 ― 観察だけでは、科学は成立しない。自然を見つめ、そこに規則性を見いだし、問いを立てることは、科学の出発点である。しかし、生命科学においては、観察の対象が単なる物質ではなく、「生きているもの」であるという一点において、他の自然科学とは異なる重さをもつ。生き物は、研究者の好奇心を満たすために存在し…続きを見る

このページの先頭へ