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おわりに

2025年12月18日

問いはこれからも続く

全9回にわたる回想録を書き終えたいま、私の中に残っているのは、達成感よりも、静かな確認のような感覚です。
――自分は、問いから逃げずに歩いてきただろうか。
その問いに対して、「少なくとも背を向け続けてはいなかった」とは言える気がしています。

教育者として、何を残せたのか。
この問いに、明確な答えはありません。

知識や制度、肩書きは、時間とともに更新され、忘れられていきます。
けれど、「考えてもよい」「迷ってもよい」「問いを持ってよい」という感覚は、人の中に長く残ります。

もし、この連載を読んだ誰かが、
・かつての自分の教室を思い出したり
・今、向き合っている生徒の姿を重ねたり
・自分自身の生き方を、少しだけ立ち止まって考えたり
したのだとしたら、それ以上の喜びはありません。

私はもう、教壇には立っていません。
しかし、問いは今も続いています。

教育とは、答えを与えることではなく、
問いを手渡し、その問いとともに生きる力を信じることなのだと、今は思っています。

この連載が、
あなた自身の「置かれた場所」を見つめ直す、ささやかなきっかけとなれば幸いです。

問いは、終わりません。
これからも、あなたのそばにあります。

  • 投稿者 akiyama : 09:40
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高校生と一緒に、性を語れる場をつくった日々 「授業」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、教室で教師が前に立ち、知識を説明する光景だろう。 しかし、私が最も強く「これは教育だった」と実感している時間の一つは、教科書も黒板も使わず、生徒と机を囲んで行った翻訳作業の中にある。 1990年代初め、私は担任していた生徒たちと一緒に、エイズに関する英語の書籍を翻訳するという取り組みを行った。大学受験を控えた…続きを見る
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はじめに
問いから始まった教室の記憶 この文章は、特別な成功談でも、教育法の解説でもありません。 30年以上、学校という場所で生徒と向き合ってきた、一人の教育者が、教室で感じ、考え、迷い続けてきた記憶の断片を綴ったものです。 私が教壇に立ち始めた1980年代、日本の学校は「正しさ」を教える場であると同時に、「問題を起こさない」ことが強く求められる場でもありました。教師は管理者であり、指導者であり、生徒を「…続きを見る
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山脇有尾類研究所が企画して、フィリピン大学と連携して、文科省SSH指定校の山脇学園高等学校の生徒対象で、2026年3月10日から3月16日の8日間の日程で、地球環境を考える海外研修を実施することになりました。 …続きを見る
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山脇有尾類研究所がマレーシアのUTHMと連携協定を結んで文科省SSH指定校の山脇学園高等学校の生徒対象で、2026年8月16日から8月25日の10日間の日程で、地球環境を考える海外研修を実施することになりました。 …続きを見る
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オオイタサンショウウオ幼生をビオトープに放流
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11月3日に「高校生両生類サミット」を開催しました。高校生による研究発表と、研究者の先生方による講演を行いました。 本サミットはZoomを用いたオンライン開催とし、その特性を生かして全国から参加者を募るとともに、講演もインターネットを介して実施しました。 研究者による講演では、アメリカ合衆国バックネル大学准教授の高橋瑞樹先生、前基礎生物学研究所所長の阿形清和先生、島根大学特任教授の竹内隆先生から…続きを見る
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11月1日、山脇学園では、学内に生徒が両生類を対象とした研究に取り組むための施設「山脇有尾類研究所」を開設しています。この日は、同じ港区内にある麻布中学・高等学校から、生徒5名と引率の教員2名が訪問されました。所長が研究所の概要を説明した後、動物飼育室での見学や、イモリやサンショウウオへの給餌体験を行いました。その後、お互いの学校の研究の取り組みについて発表し、活発な情報交換を行いました。本校の生…続きを見る
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高校生の科学研究を支援する実験設備を校内に「有尾類研究所」という形で立ち上げ、両生類対象に特化した研究テーマを設定して、他校と広域連携を推進する教育プログラムの開発に取り組んでいる。 両生類の研究では、広島大学両生類研究センターと生物遺伝資源提供同意書を交わして、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)を利用して、研究材料としてイベリアトゲイモリを提供していただき、飼育及び繁…続きを見る
中谷財団科学教育振興助成(1年目の取組の進捗状況)
毎年Zoomで実施している高校生両生類サミット(2025年度は第6回)での協力体制を生かし、連携する共同実施校との対面による生徒交流の機会として、野外実習や研究者による講義を盛り込んだ環境学習を目的とする交流会を実施することができた。最終的には鳥取大学にご協力いただき、多くの研究者の支援を受けて、内容の充実した交流会を立ち上げることができた。 この交流会への参加生徒は、山脇学園高等学校8名、清真…続きを見る
文科省SSH指定校の清心女子高等学校が2027年4月から「男女共学」
文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業を展開して20年目を迎える岡山県倉敷市の「清心中学校・清心女子高等学校」(学校法人ノートルダム清心学園経営)は、2027年度以降の入学生から共学化することを発表した。新たな校名は「清心中学校・清心高等学校」となる。 創立以来、前身である私立岡山女学校の時代から約140年にわたり女子教育に尽力してきた同校は、「長い歴史の中で守り続けてきたカトリ…続きを見る
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