高校生の科学研究を支援する実験設備を校内に「有尾類研究所」という形で立ち上げ、両生類対象に特化した研究テーマを設定して、他校と広域連携を推進する教育プログラムの開発に取り組んでいる。
両生類の研究では、広島大学両生類研究センターと生物遺伝資源提供同意書を交わして、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)を利用して、研究材料としてイベリアトゲイモリを提供していただき、飼育及び繁殖させる技術を学んでいる。これから本格的に高校生の生命科学分野の研究を応援していきたい。
近年、学校教育での動物実験の実施について、生命倫理的な扱いが話題になっているが、学内に動物実験委員会を立ち上げ、動物実験規定に準拠した手続きで、毎年9月に実験計画書を提出し、実験動物委員会(外部の専門委員を含む)で研究の可否を審議(教育的には訂正して承認を基本)するという一連のシステムを運用していている。
(主な取り組み)
① 動物実験委員会主催の課題研究に取り組む生徒の教育訓練を実施する。
② 高校生が研究のための知識や実験技術を学ぶ講習会を実施する。
③ 研究室で実験に使用するイベリアトゲイモリを飼育して、必要な個体数を維持する。
④ 研究内容は、生殖腺の発達、クローン作製を中心に研究を進める。学会発表を目指す。
⑤ 全国研究発表交流会「第7回高校生両生類サミット」を主催する。
⑥ 共同実施校との連携で、対面での実習を含んだ交流会(昨年は環境学習)を実施する。
⑦ サンショウウオが棲むビオトープを造成し、環境調査、放流後の継続観察を実施する。
⑧ 完成したビオトープにサンショウウオ幼生及び幼体を放流する。
⑨ 国立フィリピン大学と連携した環境学習海外研修を実施する。
⑩ 国立マレーシアのツン・フセイン・オン大学と連携した環境学習海外研修を実施する。